INTERVIEW
インタビュー/SAKAIさん

大阪の人気ガイド、PJ SAKAIことパーフェクトジョイクリエイションの酒井千鶴子さんにインタビューしました!

 コミュニケーションギャップという言葉を聞いたことがあるだろうか。意味はそのまま、コミュニケーションを図ろうとしてもいろいろな原因、要件で相互理解に達することができない状態のことだ。

 例えば世代の違い、文化や国の違い、サラリーマンとフリーランスの違い、男女の違い、経済状況の違い……その他様々、ありとあらゆる「違い」がコミュニケーションギャップを作り出す。人は誰しも、自分基準で物事をとらえているからだ。自分にとってのあたりまえが、他人にとってはまったくあたりまえじゃないこともある、ということを、私たちは頭では理解している(つもり)かもしれないが、ときにコミュニケーションの現場でその「違い」を乗り越えていくことは非常に、本当に、びっくりするくらい、難しい―−――――。

 今回インタビューするSAKAIさんは、このコミュニケーションギャップというテーマに正面から向き合い続けてきた人だ。

ニューズレター(以下N)「いきなりで申し訳ないのですが、酒井さんは同性愛者でいらっしゃるんですよね。そのことがコミュニケーションギャップについて考える、大きなきっかけだったんでしょうか?」

酒井さん(以下S)「コミュニケーションギャップという言葉を知ったのは後ですが、小さい頃からずっと孤独感を感じ続けていました。親や友達と話をしても、言葉が通じない、という感覚。今は声が通るようになったんですが、小さい頃は本当に声が届かなくて。感覚的には、波動が違っていて、もう物理的に言葉が通じない、という感じでした」

N「ラジオのチャンネルが合わない、みたいな感覚でしょうか?」

S「そんな感じですね。だからいつも孤独感がついてまわっていました。コミュニケーションをとりたいのに、つながれない。伝えたいことがあるのに届かない。それで中学生のときに初めて触れ合うのがすごく心地いいなと思える人に出会った。それが、女の子だったんです。悩んだ末、思い切って気持ちを打ち明けました。でもまあ、結果的にはその子を怖がらせてしまいました。

それ以来、好きになるのはみんな女子。好きになってはフラれ、好きになってはフラれ……。

好きだ、触れ合いたい、もっとコミュニケーションをとりたいという気持ちが空回りして、そうなるといつも渇望状態です。自分だけは人から受け入れられることはないんだと思ってしまっていましたね」

N「セクシャルマイノリティに対する偏見も、今より強かったでしょう」

S「そうですね。それもあったし、多くの人にとってのあたりまえが、自分にとってはあたりまえじゃなかった。セクシャリティだけじゃなく、世の中のこうあるべきという考え方とぜんぜん合わなかった。でも、当時はやはり自分が受け入れられない、自分の考えや感覚が通じないということの方が重かった。

 それで社会人になって勤めだしたんですが、それがなんと営業職。B to Bで、飛び込みセールスもやりました。そこでコミュニケーションの“技術”を身につけたんです。利益を生む営業トークや、話の持って行き方、駆け引き……」

N「気持ちより先にテクニックが身に付いたんですね」

S「そう。それでとにかく、表面上は上手くやれるようになりました。その後も転職して塾講師をやったり、昔気質の町工場のおじさんとPR会社との間を渡すような、全然論理の違う会社同士を繋げる仕事をしたり、不思議と“コミュニケーション”をずっと仕事にしてきました」

N「おもしろいですね。コミュニケーションギャップにずっとストレスを感じ続けてきたのに、そこから逃れるのではなく、正面から挑み続けてきたわけですね」

S「それはやっぱり、自分自身の飢餓感や渇望感があったからだと思いますよ。つながりたい強烈な欲求があるから、逃れたくても逃れられない」

N「つながりたいのにつながれない。それは普遍的な悩みでもありますよね。とくに、インディゴ世代と呼ばれる今の若い人たちには多いんじゃないでしょうか」

S「それは感じますね。彼らはピュアで考えかたに変な垣根がない。だからこそ世間的な“あたりまえ”が受け入れられずに苦しむんだと思います」

N「酒井さんは早く生まれすぎたインディゴかもしれませんね(笑)」

S「かもしれません(笑)。私はこのスピリチュアル業界にひょんなことで入ってきたんですが、コミュニケーションギャップからくる飢餓感や渇望感、“満たされないという感覚”をどう解消していくかというのが最初からずっと、自分自身のテーマでした。

 それでミステリースクールに来た最初のころ、若いインディゴたちと一緒にイベントやったりして、自分の吐き出した感情や“世間のあたりまえ”への違和感をすっと受け止めてもらえたりして、驚きましたね。彼らとつき合ううちに、“もっとピュアでないと”という気持ちが自然と湧いてきました」

N「テクニックとして身につけたコミュニケーションだけじゃなく……」

S「そう。ハートから素直に表現して、そのまま受け入れられることもあるってことを私はずっと知らなかった。正直でいたら、受け入れられないと思っていました。

 だから変な話、ヒーラーとして活動しだしたころはクライアントさんの顔を見るとお金の計算と結びつけてしまったり」

N「ビジネスの論理ですね。お客さんだから、お金を払ってくれるから、優しくしてあげるという……。お客さんの方もお客さんの方で、こっちはお金を払ってるんだから、このくらいワガママ言っても当然でしょ?という前提でくる。そういう相互理解の元で行われる、ビジネス的なコミュニケーションって横行していますよね。市場原理はそれで回ってるわけですが。でもよく考えてみればこれは、お互い仮面を付けた、上っ面のコミュニケーションです。お金を介しているからこそ成立するコミュニケーションだし、逆に言えばお金がないとまったく成立しない関係性です」

S「飢餓感、渇望感とお金って、深いテーマですよ」

N「プライベートな人間関係やコミュニケーションにまで損得勘定を持ち込んでしまう傾向は、最近強いような気がしますね。

 まず人と人の純粋な交流があって、それから心からの感謝と共にお金が渡される。お金を払う方も、受け取る方も“ありがとう”と自然に出るようなコミュニケーションのあり方って理想です」

S「損得じゃなく、ピュアな自分自身で相手のいちばんピュアなところとコミュニケーションをとる。そのためには、まず自分の飢餓感を同時進行的にどんどん解消していく必要がありますよね」

N「ハートを開くことが大切ですね」

S「最近のクライアントさんは、逆に自分のピュアさに苦しんでいる人も多いんですよ。時代が変わってきたのか、それとも私自身が変わったのかな。

 苦しんでいるとしても、ピュアなままのインディゴにはすごく助けられています。いつも気持ちを引っ張り上げられる気がします」

N「インディゴの人々にとっても、酒井さんのような先輩は素晴らしい理解者だと思います」

S「波乱万丈の人生経験はあるんで(笑)、ディープなお悩みも大丈夫です。

 あと、セクシャルマイノリティに限らず、“マイノリティ”と呼ばれる人たちは孤立していることが多いし、お互い心を閉じてしまって、そうすると情報が遮断されてしまいます。でもマイノリティだということは、今の世の中にはまだない、新しい情報を下ろしにきたスピリットだということ」

N「本当にそうですね。酒井さんのように、きっとそういう人ほどコミュニケーションをとりたい、伝えたい気持ちは強いはずですよね」

S「でも、世間のあたりまえにハマらないことが続くと悩んで落ちて行っちゃう」

N「違ってあたりまえなのに」

S「例えば、ジェンダーやセクシャリティは1000人いたら1000通りあるのが本当です。みんな男性性と女性性を持っていてその組み合わさり方とか濃度が違うんだから。つまり平たく言うと、みんな一度自分のセクシャリティとジェンダーを忘れてみて欲しい。それでシンプルに、自分自身や目の前の人と繋がる。相手への理解が深まると、自分への理解も深まります。生まれ持ったジェンダーなんてまったくこだわらず、幸せになってるカップルもたくさんいます。

 世の中にはセックスにこだわりすぎるゆえのセックスレスだってあるわけで……。全部を癒して、全部をいとおしんで、ありとあらゆる枠をはずして、改めて、自分はほんとうは何が好き?と問いかけてみる。

 私は“シンビオティック”という言葉が好きなんですが……日本語で言うと“共生”。あるがままがお互いにとって利益になるような、好循環の関係性です。飢餓感を癒して、どんな人とでもシンビオティックなコミュニケーションが取れるようになったら、世界は平和になると思います」

N「なるほど!とても面白いお話、ありがとうございました!」